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とことん遊ぶぞ 北海道! › 北海道開拓に思いを馳せる › 沼田喜三郎翁を調べてみた

2011年02月04日

沼田喜三郎翁を調べてみた

北海道の地名は、アイヌ語を元にして音読み、和訳読みする場合が多い。
そして北海道においては、人物の名前がそのまま市町村名になるケースは、非常に少ない。

実際の例としては、「月形町(月形 潔)」「仁木町(仁木 人吉)」「北村(北村 雄二)」など数例。
今回、ブログに書いてみたのは「沼田町」の開祖「沼田喜三郎」翁について。

沼田喜三郎翁を調べてみた


なぜ、こんなに「沼田喜三郎」翁が気になるのかというと、

「政治家でもない民間人が、神社に祭神として奉斎されるって、
どんなことをしたんだろう?」


って思ったから。
喜三郎翁は、沼田神社の境内外末社「沼田町開拓社」の祭神「沼田喜三郎翁」として祭られている。


そんな喜三郎翁の略歴は、



天保5年(1834年)、現在の富山県小矢部市にて出生(沼田町と小矢部市は友好姉妹都市)。
染物工、大工、農業などの経験を積み、明治15年(1882年)喜三郎翁49歳の時、北海道に渡った。

その際には、小樽で大工の腕を生かして妙見川に水車をかけ越中米の精米をはじめ、明治24年(1891年)には、
合資会社「共成」を起し、東京以北では最大の精米メーカーとなり、小樽の豪商の一人に数えられるまでとなった。
余談になるが「共成」は、長沼町の開拓にも深く関わっており、
長沼町のって沼田氏から?と勘ぐるほど、その開拓に深く関与している。



現在の小樽市にある「オルゴール堂」は、旧共成の社屋で、
石造りの建物が多い小樽市においては珍しいレンガ作りの建物。



その後、明治26年(1893年)深川市周辺にあった広大な華族農場が解散される際に、
華族組合の一員であった大谷光宝(東本願寺)を説き、大谷の名義で現在の沼田町に雨竜本願寺農場として
1千余万坪の貸付を受け、資本金十万円の開墾委託株式会社を組織し、自ら社長となった。

翌明治27年(1894年)に故郷である富山県小矢部市から18戸の移住を勧誘して、沼田町の基礎を築いた。
(北竜町から分村した時(1914年)を開基とするのではなく、喜三郎氏の移住をもって、
沼田町の開基とされているところも、面白い。)


その後、亜麻農場や木工場を建設したり、上雨竜土工組合を組織して水田を開いていった。

明治40年に計画された留萌線の敷設に際しては、計画外であった当時の沼田町に、
線路を敷設するために、誰よりも早く誘致活動を行った。
駅と線路の土地の提供、市街地を形成する道路用地の提供、神社や寺の用地、学校用地などの寄付を行い、
明治43年に「沼田駅」が開駅した。
地名でもなかった「沼田」の名前が駅名になるほど、喜三郎翁は、がんばったのだろう

その結果、レンガ工場や帝国製麻沼田工場など、当時の道内でも有数の大工場が建設され、賑わいを見せていた。
(らしいけど、現地は見たことがないので、ゴメンナサイ。)


しかしながら、明治末期から大正初期の凶作により、その事業や用地を「今井藤七」氏(丸井今井の開業者)
に売却せざる得なかった。

大正11年(1922年)、喜三郎翁の苗字にちなんで村の呼称を沼田村と定めた。
大正12年12月に92歳で亡くなった。


(参考 沼田町史、wikipedia)


・・・・エネルギッシュな人だね。
人柄については、触れません。
残された偉業の数々だけを見ても、北海道開拓における偉人の一人だと思う。

ちなみに現在の沼田町は「夜高あんどん」「ほたるの里」「エネルギーとしての雪利用」として有名。
特に、夏ににぎわう「ほたるの里」とオートキャンプ場は、
ここ1年間旅行してきた中でも、一番のオススメスポットだ。

沼田喜三郎翁を調べてみた
(ほたるの里の写真。時期になると数えきれないほどの蛍が舞う)


また平成23年3月27日に、今年度最後の歩くスキー大会が開催される。
沼田喜三郎翁を思いつつ、北海道開拓に浸ってみては。

沼田喜三郎翁を調べてみた


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Posted by 「とうちゃん」 at 07:43 │北海道開拓に思いを馳せる

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