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とことん遊ぶぞ 北海道! › LOVE 函館 › 碧血碑の微妙な立場と石川啄木について

2013年05月11日

碧血碑の微妙な立場と石川啄木について


 碧血碑を訪れたのは、昨年の夏以来2回目だ。
 周囲には、随分と雑草が生い茂っている寂しいところだなぁ〜と思っていたけれど。


碧血碑の微妙な立場と石川啄木について
碧血碑の微妙な立場と石川啄木について

 桜が咲く季節に訪れてみると、なんとも可愛らしい二輪草が咲き乱れていた。
 時期を外すと、雑草にしか見えなかったのにね。
 「旬は大事」ってことを学んだ、人生の旬をいまいち迎えきれない「とうちゃん」です。
 
 
 
 この小さな可愛らしい二輪草が、意外にも高さが8mもある堂々とした碧血碑によく似合う。
 戊辰戦争、特に五稜郭で戦死した旧幕府軍約800人の戦死者を祀るために建立された碧血碑。
 

碧血碑の微妙な立場と石川啄木について

 「義に殉じた武人の血は、3年経つと碧色になる」という中国の故事にちなんだ「碧血」。

 「碧血」という言葉の由来に似つかわしくなく、碑陰には刻まれている文は、曖昧なものに
とどまっていることが興味深い。 

碧血碑の微妙な立場と石川啄木について
 「明治辰巳実有此事 立石山上叺表歔志」(碧血碑 碑陰)
 
 その意味は、「明治辰巳(明治2年)、これは実際にあった出来事。この山に石(碑)を建
立し、哀悼の意を捧げる」 ということらしい。
 碑文は、戦死した戦友たちに捧げたことは明白だけど、建立した当時、この文を刻み込むのは、
なかなかリスキーなことだったことは容易に想像できる。

 


碧血碑の微妙な立場と石川啄木について

 今日、碧血碑を訪れたのは「とうちゃん」一人ではない。

 「息子」と「かあちゃん」と「とうちゃん」、「とうちゃん」の「おかあさん」で「息子」の
「ばあちゃん」と「おかあさん」の「おかあさん」、いわゆる「とうちゃん」の「ばあちゃん」
で「息子」の「ひいばあちゃん」と一緒に訪れてみた。
 
 さて、問題です。
 「とうちゃん」は、いったい何人で碧血碑を訪れたでしょう?
 
 
 「ばあちゃん」は、「とうちゃん」が一人で訪れた時には、気づかなかったことをたくさん気づ
かせてくれた。
 小さな頃から、「とうちゃん」の世界を広げてくれた「ばあちゃん」は、今日もまた一つ「とう
ちゃん」の世界を広げてくれた。


 【函館の 臥牛の山の半腹(はんぷく)の 碑の漢詩(からうた)も なかば忘れぬ】

 「ばあちゃん」が、なにげに口にした歌で、石川啄木の「一握の砂」に収められている歌。

 啄木が「碧血碑」を訪れたのは、1907年(明治40年)で満21歳のとき。
 曖昧な碑陰の文に、堂々とした存在感の碧血碑。
 啄木がここで何を感じたのかは「とうちゃん」には知るすべは無いけれど、前の歌は、碧血碑
を歌ったものではなく、碧血碑を歌った碧血碑の片隅に、ひっそりと佇む歌碑を歌ったものらしい。


碧血碑の微妙な立場と石川啄木について

  戦骨全収海勢移 紛華誰復記当時
  鯨風鰐雨函山夕 宿草茫々碧血碑

 この碑には、明治初期の外交官で、のち元老院議官、貴族院議員等を歴任した宮本小一が、1901年
(明治34年)に参詣したときの歌が刻まれている。

 戦骨全められて収り海勢移り 紛華誰か復た当時を記せん
 鯨風鰐雨函山の夕 宿草茫々たり碧血の碑

 この歌の意味を知り、碧血碑を訪れてみて、ちょっとだけ啄木の歌の意味を理解できた気がしなく
もない。
 
 人の目を避けるように堂々と聳(そび)える碧血碑。
 杉の木々が茂る山の中の碧血碑には、今でも多くの人が訪れている。

 
 
 ちなみに「とうちゃん」1回目の訪問は、こんな感じだった。
 


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Posted by 「とうちゃん」 at 13:46│Comments(0)LOVE 函館
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