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とことん遊ぶぞ 北海道! › LOVE 函館 › 念願叶って箱館奉行所に初登城!

2012年09月14日

念願叶って箱館奉行所に初登城!

 五稜郭公園を訪れたのは、何回目だろう。
 自宅から徒歩10分にある五稜郭公園は「とうちゃん」の散歩コース。
 散歩のたびに気に留めていたのは、4年もの歳月と莫大な費用をかけて復元された「箱館
奉行所」。
 函館市に定着した感じがある「箱館奉行所」だけど、実際に五稜郭に奉行所が存在していたのは、
わずかに7年の間だけ。
 その最後は明治政府によって解体されてしまうことになる。 


【早朝6時の箱館奉行所】

 失われた建物を復元するのは容易では無いと思う。
 失われた図面、外観を記憶する者も少なく、内部の装飾に至っては、今でも不明な部分も多いだ
ろう。
 現地でガイドさんから聞いた話では、内部の装飾は復元できない所や釘隠しなど予測し復元され
たところも少なからずあるとのこと。

 箱館奉行所は、かつてと同じ場所に復元されたため、特別史跡としての様々制約があった。
 一般公開のために、建築基準法・消防法などの現代法に適合した建物にする必要もあった。

 箱館奉行所を見学する際には、そこに配慮する研究者たちの苦労も感じて欲しいかな。
 
 
 

【槍を置く所】             【大広間の簡素な欄間】


【装飾のない厠】            【手洗い場】

 奉行所の中は、想像していた以上に質素だった。
 建物の雰囲気はゴージャスなんだけどね。
 でも、この質素な感じが「武士の粋」って感じがする。
 
 函館市元町から移転された「箱館奉行所」は、西洋式城郭として建造された。
 戦闘の城郭としての機能はもちろん、蝦夷統治の象徴としての格、開港地の政庁として諸外国へ
の威厳が求められていたと思う。

 華美な装飾よりも、質素な機能美。
 これが長らく日本を収めていた武士の在り方なのかな?
 社会が硬直化した江戸時代末期、鎖国が破られた箱館では、身分の高さよりも能力が評価されて
いた事の現れの機能美と思いたいね、一庶民としては。



【広間の脇の通路】
 

【竹の節欄間】 
 

【四の間→壱の間】
 

【壱の間→四の間】
 
 薄暗い建物から見える深緑が眩しい廊下に格式高い広間。
 襖を開け放つと72畳の広さになる大広間は、奉行所の中でも格式の高い部屋の一つ。
 この場所では、江戸幕府から明治政府への引き継ぎなども執り行われた。

 足の裏に感じる感触は、「とうちゃん」の家に敷かれている柔らかい畳とは明確に違うものだ。
 どうやら最高級の備後表が使用されているらしい。

 各部屋との境は、美濃産の手漉き和紙を張った障子、天井板は竿縁とよばれる3本の細い木材。
 壹之間の更に奥には表座敷があり、その奥には奉行の役宅が続いている。

 このように、日本伝統建築のたたずまいを再現した趣のある空間が再現されているけど。
 北海道の冬を過ごすのには、絶対寒いと思うんですよね。
 どこかの博物館で見た、初期の屯田兵の住宅も寒そうだったしなぁ。
 
 
 








 奉行所見学ルートの最後の方に「映像シアター」があり、箱館奉行所の復元についてのビデ
オが
上映されている。
 この映像資料が面白い!んだけれど、見せるタイミングが良くないと思う。

 復元された奉行所の見所も、その再現の苦労も知らないままに見学が終わった時に「実はこんなに
苦労していました〜」的に教えられても遅いよね。
 見学する人によっては、見学ルート的に最後の映像資料は見ない人もいると思うし。
 もったいない。


   
 正直な気持ち、「箱館奉行所」の入館料500円は安くはない。
 観光客ならともかく、「とうちゃん」の様に地元の人なら、入館をためらう人が多いと思う。
 実際「とうちゃん」だって1年以上入館しなかったしね。
 見学後の素直な感想は「見学できて良かった!」だけど、生粋の函館市民に言わせると、「総事
業費27億円の価値があるんかねぇ〜」と顔をしかめる人もいる。
 
 文化財って難しいよね、見せるのも管理するのも。



(他のブログサイトで書いたことがある記事を転載したものです。)

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Posted by 「とうちゃん」 at 06:23│Comments(0)LOVE 函館
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